2030年の糸島にてー今月も「Overlay Community糸島」からベーシックインカムが仮想通貨で入金された

2030年11月、
今月分のベーシックインカム入金を報せるメールを受け取った私は、
糸島市長野の古民家で「アミカフェ」を始めた2018年頃のことを思い出していた。

アミカフェの田んぼ
アミカフェの田んぼ

その頃、ようやくメディアでも「ベーシックインカム」と言う言葉が取り上げられるようになり、
確か一部の政治家によって、
選挙活動期間中だけの美辞麗句として利用されることもあったように記憶している。

それから12年の歳月が経ち、
ようやくここ2, 3年ほどは、毎月自分の
VA(Virtual account:仮想口座)に入金される仮想地域通貨の使い道に
頭を悩ませることも減ってきた。

2022年にベーシックインカムが初めて試験的に導入されてからの数年は、
1ヶ月の使用期限を超えても使わなかった分が失効してしまったり、
逆に慌ててそんなに必要でもないモノに使ってしまって後悔したり、
試行錯誤を繰り返してたっけ。

そう言えば最初は糸島以外に住んでいる友人などに
ベーシックインカムの発行元が、
日本政府でも、自分の住んでいる糸島市でもなく、
もちろん日本銀行でもないと言うことを説明しても、
なかなか理解してもらえなかった。

その発行元は
「Overlay Community糸島」。

「Overlay Community」とは、
2018年~2020年くらいに、
日本全国で同時多発的に発生した市民たちによる試みの通称だ。

「Overlay」と呼ばれるようになったのは、
既存の市、県などの自治体の領域とは必ずしも一致しない、
でも、自然環境や歴史などをある程度共有して来た地域
(糸島の場合は、2018年時点での糸島市の範囲に加えて、
福岡市西区のうち、糸島半島東部にあたる地域が含まれる。)が対象だからで、
その地域の有志の市民が集まって作った共同体だから、
「Overlay Community」と言う訳だ。

それは最初、従来の自治体で行われる政治・行政の在り方に疑問を持ち、
地域のさまざまな課題を住民自身が集まって
知恵やお金、人手を出し合い、共に取り組むことによって解決して行きたい、
と言う思いから始まった。
糸島ではその最初のミーティングが行われたのが、2018年の12月だった。

あ、そう言えば、その頃にはまだ、
「銀行」がなくなるなんて、誰も想像してなかったかも。

【つづく】

アミカフェのどんぐり
アミカフェのどんぐり